創業以来バカルディは、火災や地震、ハリケーンなど様々な困難を乗り越えてきました。そのような中でここまで長きにわたりラムをつくり続けることができた事実は、祝うに値する素晴らしいバカルディの歴史と言えます。2022年2月4日の創業記念日には、世界中のバーでバカルディファミリーやコミュニティと一緒にお祝いをし、お気に入りのラムカクテルを飲み、それぞれを讃え合いました。

愛され続けてきた大きな理由は、もちろんその品質でしょう。創始者ドン・ファクンド・バカルディは、1862年2月4日にサンティアゴ・デ・クーバで正式にバカルディ・ラム社を設立するまで多くの実験を繰り返してきました。ライトボディでスムース、かつ風味豊かなラムを開発するために、彼は2つのラムを並行して蒸留する実験を行っています。
1つはより重く、より風味豊かなアグアルディエンテ、もう1つは再蒸留という工程を経てより軽くなったレ・デスティラードです。この2つのをブレンドしたところ、まさに彼が求めていたラムができあがりました。並行蒸溜プロセスの誕生です。スムースでライトボディのバカルディ・ラムは、ミックスしてもストレートで飲んでも完璧な味わい。この製法は、現在もバカルディ・ラムで使用されている方法です。

愛される続けるもうひとつの理由はバカルディ・ラムの味へのこだわり。1800年代において安定した品質のラムを作り続けることは容易なことではありませんでした。ラムは通常、空気中のイースト菌が糖分を発酵させてアルコールに変化させる自然発酵で作られていました。ところが蒸留器メーカーはこのプロセスをコントロールすることができず、毎回予測不能な味になっていました。
しかしドン・ファクンドは、単一のイースト菌を分離することで一貫した風味を確保できることを発見。彼はサンティアゴのサトウキビから発見された特定のイースト菌を選び、それがのちにラ・レバドゥーラ・バカルディとして知られるようになりました。彼の息子であるファクンド・バカルディ・モローによって培養されたこのイースト菌は、世界で最も古いキューバ産のイースト菌となりました。
バカルディ・ラムの純度と安定性を保つため、この貴重なイースト菌は鍵がかけられた場所で冷蔵保存されています。この鍵を開けられるのはマエストロ・デ・ロン・バカルディとバカルディの経験豊かな研究員だけなのです。

バカルディ・ラムのロゴにはコウモリが描かれています。これを提案したのはドン・ファクンドの妻、ドニャ・アマリア。彼女はコウモリが「よいことが起こる前ぶれの証」であることを知っていました。それはドン・ファクンドの故郷であるスペインで、コウモリが健康・幸運・家族の結束を象徴していたからです。また、キューバの先住民であるタイノ族にとって、コウモリはすべての文化財の番人でした。
その後、コウモリをバカルディのシンボルにしようというドニャ・アマリアの提案が、天才的な発想であったことに、皆が気づくことになります。当時キューバでは読み書きのできない人が多くいました。しかしコウモリのロゴは文字の読めない人たちにもわかりやすく「コウモリのラム」を求める人が増えたのです。

バカルディ・ラムはモヒートからオールド・キューバンまで、多くのクラシック・カクテルの代名詞となっています。1898年、洗練されたカクテルの代表格となったダイキリ。ダイキリは鉱山技師であったジェニングス・ストックトン・コックスによって発明され、彼が働いていたキューバのダイキリ鉱山の名前にちなんで命名されました。コックスがキューバの暑さをしのぐさわやかなカクテルを作ろうと考え、ライム、砂糖、バカルディ・カルタ・ブランカ・ラム、冷たい水、そして当時は贅沢品だった氷を混ぜてつくったのがはじまりです。その後、歴史となり受け継がれていったことは誰もが知る事実です。

2018年に始まった私たちの新しい伝統「Back to the Bar」は、創立記念日の週に実施する年次活動。これは世界中のバカルディの社員が、原点に立ち返り創業者の視点を持って自らが街やバーへ赴き、今どんな変化が世の中で起きているのかを体感。バカルディのファンやバー・レストラン、バーテンダーの方々に感謝する機会です。私たちはできる限りこの伝統を守っていきたい。
バカルディ・ラムが生み出す世界観やコミュニティ。そこに多くの人がどんどん参加し楽しんでほしいと私たちは願っています。お気に入りのバーやポームパーティで気の置けない友人と語り合いながらお気に入りのカクテルを作り、次の160年に向けて一緒に乾杯をしましょう！